現在、日本で利用されているCADソフトには多くの種類がありますが、その中でもJWCADとAutoCADは、特に多くの企業で利用されている代表的なCADソフトです。
これからCADを習得される方は、どちらを選んだら良いのか(又は両方習得するか)を迷われると思います。
ここでは、JWCADとAutoCADの違いを様々な観点で比較しますので、CADソフト選択の参考にお役立てください。

シェアの違いは?

就・転職を目的にCAD習得を目指す場合、より多くの企業で利用されているCADを習得したいと考えるのが当然です。各企業のCADソフト採用状況は以下のようになります。
CADソフトのシェア
中小規模の会社ではJWCADが多く利用され、大手企業になるとAutoCADの利用率が高くなるようです。

入手方法・価格は?

JWCADはフリーソフトですので、誰でも無料で使うことができます。
当スクールでJWCADに対応した講座には標準で付属しており、また永続的に利用ができるので、じっくり学習に取り組めるのが魅力です。学習が終わったらそのまま実務で利用できるのも大きなメリットです。

JWCADソフトの入手方法・価格

AutoCADは月額8,800円からの有償アプリです。(価格は2023年9月時点)
個人が学習だけを目的に購入するのは負担が大きいので、当スクールでは無料で利用できる試用版のAutoCADを利用して学習を進めます。無料期間は1つのバージョンにつき30日間です。Windows版のAutoCAD講座では旧バージョン(試用版)も利用できますので、受講期間中は無料でAutoCADを利用できます。

AutoCADソフトの入手方法・価格

どちらが優れている?

「JWCADはフリーソフトだからAutoCADより機能が少ないのでは?」というお問い合わせを頂くことがあります。
機能としては有償のAutoCADにはかないませんが、JWCADには動作が非常に軽快というメリットがあります。規模の大きい案件ではAutoCADが威力を発揮しますが、小規模のものであればJWCADのほうが業務効率が高い場合もあります

JWCADソフトの特徴 AutoCADソフトの特徴

そもそも、JWCADとAutoCADは日本を代表するCADソフトであり、多くの会社で実際に活用されているわけですから、どちらも実務に必要十分な機能を備えていることは間違いありません。

CAD習得の難易度は?

JWCADはシンプルなCADソフトですので習得の難易度は低いです。AutoCADは高機能なので覚えることも多く、JWCADより難易度は高くなります。
CAD未経験者やコンピュータ自体の利用経験が十分でない方の場合、AutoCADはハードルが高いかもしれません。 JWCADは直感的な操作方式を採用していることもあり、初心者でも習得は難しくありません。

CAD習得の難易度

操作方法は似ている?

JWCADとAutoCADは異なるアプリケーションではありますが、どちらを利用しても同じような図面を描くことができます。「JWCADでしか作図できない」「AutoCADでしか作図できない」といったものは少ないでしょう。
しかし、その操作方法は大きく異なります。CADソフトを起動した際の見た目(インターフェース)も下図のように大きく異なりますので、コマンドの選択や図形の描き方も大きく異なりますJWCADとAutoCADのウィンドウの違い JWCADとAutoCADのウィンドウの違い CADソフトを利用していると、図形の拡大表示・縮小表示を頻繁に行いますが、その操作方法も下図のように異なります。 JWCADとAutoCADの拡大表示操作の違い JWCADとAutoCADの拡大表示操作の違い 上記は1つの例に過ぎず、それ以外の多くの点で操作形態が異なります。このため、JWCADの利用技術をAutoCADに活かす(又はその逆)といったことは難しいでしょう。

両方のCADを習得する必要がある?

JWCADとAutoCADの両方を習得したほうが良いかどうかは、その目的により異なります。

就・転職の場合 現在の仕事に活かしたい場合

3DCADは習得した方がいい?

2DCAD(JWCADやAutoCAD)に加えて3DCADまで利用できる人材は多くありませんので、習得できれば就・転職で役立つ場面は多いかもしれません。なにより3DCADは高度なスキルというイメージが強いので、書類選考や面接を有利に進める材料になりそうです。

3DCAD「Fusion360」の学習シーン

受講者の属性

少し前の調査結果になりますが、2022年6月1日~2022年12月末日の受講者を対象に実施したアンケートの結果(有効回答数182名)は以下のようになりました。
前回のアンケートでは「受講の目的」として「就・転職」と回答した人は40%程度でしたが、今回は50%に上昇しています。

受講の目的 学習を行う場所 ご利用パソコンのOS

結論

JWCADの最大の利点は無料で利用できることに尽きます。学習で利用したJWCADをそのまま実務で永続利用できるというメリットは他のCADソフトにはないものです。動作が軽快で古いノートパソコンでも快適に利用できる点も見逃せません。
AutoCADの利点はなんといっても機能の高さです。特に複数名での共同作業を行うようなシーンで威力を発揮しますので、規模の大きい案件を扱う企業で広く利用されています。もともと高価なアプリなのですが、月額(サブスク)方式となり個人でも正規版を入手しやすくなりました。

JWCADをメインで利用している人はJWCADのほうが良いと言い、AutoCADをメインに利用している人は、AutoCADのほうが良いと主張します。どのようなCADソフトであっても、使いこなせば自分にとって最良のCADになるということであり、優劣を付けるのは不適切なのかもしれません。


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