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作品に「値段」を設定しよう!

理想の販売価格の決め方


制作活動を長く楽しく続けるための値付けのコツをお伝えします。

自分の作品にいくらの「値段」を付ければ良いのか」。クリエイターなら誰もが悩むところです。
「なんとなくで決めてしまって売れば売るほど赤字に!」なんてことも珍しくありません。 ここでは、無理なく楽しく活動を続けるための理想の値決め」について解説します

販売価格の決め方には「必要経費(原価)から求める」という方法と、「市場価格を調べて決める」という2つの方法があります。
それでは初めに、「必要経費(原価)から求める」という方法を確認してみましょう。

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赤字にならない販売価格の決め方

作品を制作するには、材料費やあなたの人件費などを合計した「原価」と、ネットショップへ支払う「販売手数料、そして活動継続費となる「利益などが必要になります。

これらをすべて積み上げた総額を「販売価格」にすれば、赤字にならずにモノづくりを続けることができます
販売価格の構成図。下から「原価(材料費・人件費等)」「販売手数料」「活動継続費(利益)」が積み上がっている図解。
利益(活動継続費)
モノづくりを継続するための元手となる資金

販売手数料(Creemaの場合)
決済総額(作品価格+送料)の10.67%(税込)

原価
材料費、人件費、梱包費など

その他
他に「送料」もありますが、商品価格に含めずに別途とすることができますので、今回は除外して考えます。
Tips

「利益」は人件費ではありません!

時給(人件費)」は、あなたの大切なお給料です。一方で「利益」は、次の新作を試作したり機材をメンテナンスするための「運営資金」。ここを混同して利益を削ってしまうと、活動の寿命を縮めてしまうので要注意です!

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あなたの「時給」はいくら?

次は、原価に含まれる「人件費」を考えてみます。

自分の「時給(人件費)」を、自分で決めるという経験は、多くの方にとって初めてのことですね。少々気が引けると思いますが、下図を参考に、自分がモノづくりをする「目的」で時給を考えてみましょう
時給設定の目安。趣味(500円〜1,000円)、副業(1,000円〜2,500円)、起業(2,500円以上)の3つの選択肢。

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制作時間(人件費)の決め方

自分の時給が決まったら、次は販売する作品の「制作時間」を決めます。
先ほどの時給」と「制作時間」を掛け合わせれば「人件費」を求めることができます
人件費の計算式。「人件費 = 時給 × 制作時間」であることを示す数式。
新作を作るときは、多くの場合、以下のような手順を踏むことになります。

1.試作品をいくつか作る
2.その中から自信のある作品を再度制作
3.販売用の作品を作る

初めて作る作品は、どうしても試行錯誤の時間が長くなるので、その制作時間から人件費を求めて価格に乗せると、驚くほど高価になってしまいます。
このため、価格については「2作品目」を作る場合をイメージして設定することをお勧めします
制作時間の決め方。試行錯誤する1作品目ではなく「2作品目を作る時間」を基準にすることを示す図。
Tips

販売価格を途中で見直してもOK

頻繁に売れる作品については、複数個をまとめて作るのがオススメ
そうすることで制作時間は一気に短縮されます。時間が短縮されたら、その時点で販売価格を見直すのもいいかもしれませんね。

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利益(活動継続費)はいくらが適切?

利益」は単なる儲けではなく、モノづくりを長く続けるための大切な元手となるお金です
新しい材料の購入や、お気に入りの機材のメンテナンス、さらには次の新作を生み出すための試作品の制作費。これらはすべて「利益」で賄われます。
利益の用途のアイコン。材料費、機材メンテナンス、新商品開発などへの投資をイメージしたイラスト。
販売価格の内訳は「原価」「販売手数料」「利益」の3つに分けることができます。
この中で、原価が占める割合を「原価率」と呼び、一般に利益をどの程度に設定するかは「原価率」で考えます
原価率の概念図。販売価格に対する原価と利益の割合を示す円柱グラフ。
モノづくりの経験値が少ないうちは、試行錯誤する時間が多く、時には失敗して作り直すこともあります。このため、経験が浅い方の原価率(材料費や人件費)はどうしても高くなってしまいます

経験を積んでスムーズに制作できるようになれば原価率は自然と下がりますので、最初のうちは原価率60%程度を目標にしてみてください
目標とする原価率のステップ1。「まずは原価率60%を目標に」と記された、原価と利益の割合を示すグラフ。 目標とする原価率のステップ2。「効率よく作れるようになったら50%以下を目指そう」と記されたグラフ。 目標とする原価率のステップ3。「ヒット作品は原価率30〜40%を狙える!」と記されたグラフ。

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売れ筋の価格帯について

原価(原価率)を元にした販売価格が決まったら、次はCreemaなどの販売サイトで「似た雰囲気の作品」がいくらで売られているか、相場をリサーチします

AIに「売れ筋の価格帯」を尋ねるのも賢い方法です。
以下に、プロンプト(AIに伝える指示文)の例を記載しましので、ChatGPTやGeminiに入力してご活用ください。

なお、このプロンプトは商品写真があることを前提としているので、完成イメージの写真もご用意ください

AIに伝えるプロンプト

添付した画像は、私が制作したハンドメイド作品です。
この作品を「Creema」で販売する場合、類似商品の「売れ筋の価格帯」を教えてください。また、その価格帯で選ばれている商品の「共通する特徴(デザインや素材感など)」も簡潔に分析してください。

AIアシスタントへの相談例。Geminiを使用してCreemaの売れ筋価格をリサーチしている実際の操作画面。
もし、原価から計算した販売価格よりも市場の相場価格」のほうが高い場合は、迷わず相場に合わせた価格に設定しましょう。
逆に、原価から求めた価格」の方が高くなってしまう場合は、その価格を販売価格にします
価格決定のフローチャート。市場相場と原価から求めた価格を比較し、より魅力的な価格を採用する流れ。
「原価から求めた価格」のほうが「市場の相場価格」よりも高くなったら、商品写真の質を高めたり、制作のストーリーを添えたりして商品の魅力を高めることでカバーしましょう。

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楽しく続けるための価格設定

2,000円の作品を50個」売るのと「1万円の作品を10個」売るのでは、売り上げは同じ10万円になります。
販売スタイルの比較。単価2,000円を50個販売する場合と、単価10,000円を10個販売する場合の比較。
しかし、低価格で数を追うスタイルは、梱包や発送作業に追われ、肝心の「作る楽しみ」が薄れてしまうことも。10個の作品にじっくりと命を吹き込み、納得のいく価格で届ける方が、心にゆとりが生まれ、結果として手元に残る利益も大きくなります。

安易な安売りをせず、作る楽しみが失われない価格設定にすることが大切です。
スキルアップ