「つくる」をもっと身近に。レーザーカッターの基礎知識。あなたの自室を工房に変えるマシン「レーザーカッター」の基本を学びましょう。

「つくる」をもっと身近に。

レーザーカッターの基礎知識


あなたの自室を工房に変えるマシン「レーザーカッター」の基本を学びましょう。

デジタル工作機械の代表格であるレーザーカッター。 その仕組みを正しく理解することは、安全で質の高い作品作りへの第一歩です。 本ページではHOME FABBERが推奨する「自室で楽しむための標準的な構成」から、仕上がりをワンランク高める推奨オプションまで詳しく解説します。

01

レーザーカッターの特徴

レーザーカッターはCADデータを元に自動で加工を行うツールです。力を使わず安全に操作できるので、女性の方でも気軽に本格的なモノづくりを楽しむことができます。
木材の切断だけでなく繊細な彫刻も得意です。また、その精度は極めて正確で寸法の狂いがないので、複数の部品をパズルのように組み合わせるような作品作りも可能です。
PCで作成したCADデータに基づき、カバー付きのレーザーカッターが自動で木材をカット・彫刻している様子を操作する女性のイラスト 写真やSVGデータを用いて、円形の木板の表面に幾何学模様や緻密な星座図のようなデザインが精密に彫刻された作品のイラスト 0.1mm単位の精度でカットされた複数の細かい木製ギヤやパーツを、男性が手元で正確に組み立てて立体作品を作っている様子のイラスト

02

レーザーの代表的な出力方式

レーザーカッターには、光をつくる仕組みによっていくつかの出力方式があります。 代表的なものに、ダイオード式、CO2式、ファイバー式などがあり、得意な素材やサイズが異なります。まずはそれぞれの特徴を整理してみましょう。
イオードレーザー加工機の例:Creality Falcon A1。オレンジ色の透過パネルを採用したフルカバー筐体のデスクトップ型マシン。
特徴
装置がコンパクトで、家庭用コンセントで動作するモデルが主流です。
◎ メリット
メンテナンスが比較的容易で、個人でも購入しやすい価格の製品が多いのが利点です。
✕ デメリット
透明や白の素材は加工できず、CO2レーザーに比べるとパワーが控えめなため、厚みのある板の切断は苦手です。

CO2レーザー加工機の例:xTool P2S。マットブラックのスタイリッシュな外観で、加工エリアを広く確保した横長形状の本格的なレーザー加工機。
特徴
出力が非常に高く、厚い木材や透明なアクリルも高速で切断することができます。
◎ メリット
透明なアクリルも綺麗にカットできる点や、加工スピードの速さが魅力です。
✕ デメリット
装置本体が大型で価格も高めになりやすく、レーザー管の冷却装置(水冷式など)や大がかりな排気設備が必要です。

ファイバーレーザー加工機の例:xTool F1 Ultra。金属やプラスチックへの高速マーキングに適した、緑色の保護カバーで覆われた縦長デザインの加工機。
特徴
波長が非常に短く、金属に対する吸収率が極めて高いのが最大の特徴です。
◎ メリット
鉄、ステンレス、アルミ、銅、真鍮などの金属を精密に切断・マーキングできます。
✕ デメリット
装置が非常に高価で大型なものが多く、木材やアクリルなどの非金属素材の切断には向いていません。

オススメは「 ダイオード(半導体)レーザー」

HOME FABBERがオススメするのはダイオード(半導体)レーザーです。
ダイオードレーザーは、デスクに収まるコンパクトさとメンテナンスの簡便さが魅力です。複雑な調整や冷却水の管理が不要で、初心者でも家電感覚で安全に扱えます。
数万円から購入できるので初期費用を抑えられ、その分を工具や材料の購入に充てられるのも大きな利点です。

03

レーザーカッターで加工できる素材

ダイオード(半導体)レーザーカッターで扱える素材は、木材やMDFをはじめ、革、紙、布、不透明のアクリルなど多岐にわたります。 素材ごとにカットした際の質感や焦げの入り方が異なるため、同じデザインでも選ぶ材料次第で、全く違う表情を見せてくれるのが面白いところです。
木材 レーザー加工素材の例:木材。落ち着いたブラウンの木目が見える平らな木の板。 MDF レーザー加工素材の例:MDF。表面が滑らかで均一なベージュ色の木質ボード。 アクリル板(不透明) レーザー加工素材の例:不透明のアクリル板。光沢があり、鮮やかな青色をした平滑な板。 レーザー加工素材の例:紙。白く薄い正方形のシート。 レーザー加工素材の例:皮。自然なシワ感があり、温かみのある茶色の本革素材。 布・フエルト レーザー加工素材の例:布・フェルト。繊維の柔らかな質感がある、グレーの厚手のフェルト生地。

04

レーザーカッターの標準的な構成

自宅で安全・快適に創作を楽しむために、HOME FABBERでは光や煙を遮断できる「カバー付き(エンクロージャー型)モデルを標準的な構成として定義しています。 精密な加工を司るヘッドから、作業環境をクリーンに保つ排気システムまで、理想の作品作りを支える主要なパーツの役割を解説します。
レーザーヘッドの概念図。青いレーザー光がヘッド内部を通り、真下の木板に照射され、タカのような緻密な図柄を彫刻している様子。
レーザーヘッド
加工の要となるレーザー光を照射する部品です。内部のレンズで光を針の先のように細く絞り込むことで、素材を精密に切断・彫刻します。
レーザーカッター内部の構造。レーザーを照射する「レーザーヘッド」、ヘッドを前後左右に動かすレール状の「XY軸駆動部」、素材を置くハニカム形状の「加工ベッド」の3点を示す図解。
X・Y軸駆動部
設計データに基づいてヘッドを前後左右へ精密に動かす仕組みです。モーターとベルトの連携により、ミリ単位の正確な走行を実現します。

加工ベッド(素材を置く台)
素材を水平に保ち、レーザーの焦点を安定させるための土台です。本体底面を熱や汚れから守る役割もあり、後述のハニカムパネルなどを敷くことでより美しく仕上がります
カバー(エンクロージャー)
強い光が室内に漏れるのを防ぐ外箱です。 安全を守るだけでなく、煙を吸い出す空気の通り道を作る役割も担うので、自宅でのものづくりには欠かせないパーツです。
エンクロージャー付きモデル エンクロージャー付きモデルの例。オレンジ色の保護パネルで全体が覆われており、煙や光を遮断できるフルカバータイプのレーザー加工機。 エンクロージャー無しモデル エンクロージャー無しモデルの例。フレームが露出しており、加工中の様子を直接確認できるオープンタイプのレーザー加工機。
レーザーカッターの排気システム。マシン背面の排気ファンから太いグレーの排気ダクトが伸び、屋外へ煙を排出する接続の様子。
排気ファン・排気ダクト
発生する煙や臭いを吸い込み、屋外へ排出する装置です。
標準で付属のダクトはそれほど長くないので、できるだけ窓際にレーザーカッターを置くのが良いでしょう。
レーザー加工用専用アプリの操作画面。グリッド線上にカット用の図面データが配置され、右側のパネルで出力設定などを行うユーザーインターフェース。
専用アプリ
パソコン等からマシンを操作するソフトウエアで、多くの場合、公式サイトから無料ダウンロードできます。
図面を読み込み、切断の強さやスピードなどを細かく設定することができます。

05

レーザーカッターの推奨オプション

作品のクオリティをさらに高め、より快適な制作環境を整えるための「推奨オプションをご紹介します。 仕上がりを美しくするだけでなく、レンズの汚れや室内の臭いを抑えるなど、長く安全に楽しむために欠かせないアイテムを厳選しました。
ハニカムパネルの製品画像。黒いフレームに蜂の巣状の細かい網目が張り巡らされた金属製の板。加工素材を浮かせて置くことで、裏面の焦げやヤニ汚れを防ぐ役割を持つ。
ハニカムパネル
加工ベッドの上に敷いて使う網目状の板です。
このパネルの上に板を載せて加工すると、煙や熱が下側に逃げて、裏面の焦げ付きやヤニ汚れが激減します
(製品により標準装備されている場合があります)
エアアシストの効果を比較する図。左側は空気の噴射で煙を吹き飛ばしレンズを保護している様子。右側はアシストがなく煙が立ち上り、レンズが汚れてしまっている様子。
エアアシスト
加工箇所に空気を吹き付け、炎や燃えすぎを防ぐ装置です。
煙を飛ばしてレンズ汚れも防止し、切り口を美しく仕上げるための必須のアイテムです。
(製品により標準装備されている場合があります)
煙除去装置の製品画像。黒いボックス型の装置で、前面にステータスを表示する小型モニターがある。レーザー加工時に発生する煙や臭いをフィルターでろ過し、クリーンな排気を行うための装置。
煙除去装置
レーザーカットした際の煙や臭いをフィルターでろ過する装置です。
マンションの一室で作業を行う」「隣の家と非常に近い」といった環境では、ダクトから排出された煙や臭いが近隣トラブルの原因になる可能性もあります。
そのような心配がある居住環境の方は「煙除去装置」を利用されることをお勧めします。
明るい窓際のデスクにレーザーカッターを設置し、加工中の様子を静かに見守る日本人男性の様子。マシンからは排気ダクトが窓の外へと伸びており、自宅で安全にモノづくりを楽しむライフスタイルを表現したイメージ画像。

レーザーカッターを楽しむ上で最も大切なのは、マシンの仕組みを正しく理解し、安全な環境を維持し続けることです。排気システムやメンテナンスは、大切なマシンとあなたの創作活動を守るための大切な時間と考えましょう。

スキルアップ