円形のかわいらしいウォールシェルフを作成してみましょう!
この作品は「ケルフカット」と呼ばれる、板の曲げ加工を行って制作します。

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今回制作する作品の紹介

制作する作品の完成状態を確認しましょう!
今回の作品は、3mmの木の板だけで制作することができます。

レーザーカッターで制作した円形の木製壁掛け時計。温かみのある桐の板に水平方向のスリットを施したモダンなデザイン。
  • レーザーカッターで制作した円形の木製壁掛け時計。温かみのある桐の板に水平方向のスリットを施したモダンなデザイン。
  • 木製時計のクローズアップ。レーザー加工による精密なカット面と、サンディング・オイルフィニッシュで仕上げた滑らかな木の質感。
  • 明るい木調のアトリエに飾られた円形木製時計。デスクにはPCやレーザーカッターが並び、クリエイティブな制作環境に馴染むデザイン。
  • 完成した木製時計のサイズ詳細。直径280mmの円形で、中央のスリット幅は120mmであることを示す寸法線入りの俯瞰写真。
  • 時計のパーツ構成。厚さ10mmの桐の板、時計のムーブメント、時針・分針・秒針を並べた、制作準備段階の様子。
  • 時計の背面構造。厚さ3mmの合板を裏板に使用し、中央に電池式のムーブメントが装着されている様子。
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展開図で構成をチェック!

全部で6つの木の板で構成されています。
3側面-内側」と「4側面-外側」は、「ケルフカット」と呼ばれる技法を用いて、板が円筒形になるよう曲げ加工しています。

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必要な工具や材料

今回の課題は、厚さ3mmの合板を利用し、出力10W以上のレーザーカッターで板をカットします
前面と背面の板は、水性ステイン(オリーブ)で着色し、最後に全面にニスを塗布して手触り良く仕上げます。

レーザーカッター・糸鋸 サンディングペーパー 木材(厚さ3mmの板) 水性サンディングシーラー 水性ステイン(オリーブ) 水性ウレタンニス(艶消し) 木工用ボンド スプリングクランプ
  1. レーザーカッター・糸鋸 ..... レーザーの力で彫刻したり、板を切断する加工機です。
  2. サンディングペーパー ..... 紙やすりです。今回は120番、400番、1200番の3種類を利用します。
  3. 木材 ..... 厚さ3mmの合板を利用します。
  4. 水性サンディングシーラー ..... サンディングの前に塗布すると滑らかな平面に仕上げることができます。
  5. 水性ステイン ..... 木材を着色する染料です。今回はオリーブという色を使用します。
  6. 水性ウレタンニス ..... 木材の表面を保護するニスです。
  7. 木工用ボンド ..... 木材を接合する際に利用するボンドです。
  8. スプリングクランプ ..... 洗濯バサミのように、バネの力で板を固定する道具です。
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制作の流れ

3Dモデルから2Dの加工用データ(DXFファイル)を作成したら、レーザーカッターで必要な部材をすべて切り出し、曲げ加工を丁寧に処理して完成させます。

3Dモデルを確認 3Dモデルを確認 DXFファイルをエクスポート DXFファイルをエクスポート 板をカットする 板をカットする 木材の表面仕上げを行う 木材の表面仕上げを行う 組み立てて完成 組み立てて完成
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CADデータを確認する

それでは解説動画を視聴して、作品の形状を確認してください 。受講生の方は3Dデータをダウンロードし、加工用のDXFファイルを出力してみましょう
3DCADの習得や、本作品をアレンジして販売したい方は、ぜひe-GrooveのCAD講座の受講をご検討ください

※再生ボタンを押すと音声が再生され、動画は全画面表示に切り替わります。

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前面と背面を切り出す

はじめに、ウォールシェルフの前面(12)と背面(56)の板を切り出します。

厚さ3mmの板をレーザーカッターにセットし、レーザーヘッドの位置を調整したら準備完了です。

3DCADから書き出したDXFファイルを、レーザーカッター専用アプリで読み込んだら「1前面-外側」と、「2前面-内側」「5背面-内側」の板を切り出します。
25の円は1/4に分割されていますので、後で組み合わせて円形にします。

円形のウォールシェルフの前面、背面のスケッチ画像

6背面-外側」も切り出します。

円形のウォールシェルフの背面のスケッチ画像

下図で示した2本の線は「ガイド線として利用します。レーザー出力を弱めに設定して、木材の表面に薄い線を引いてください。あとで「2前面-内側」「5背面-内側」を接着させるときに、このガイド線を目安に配置します。

円形のウォールシェルフの前面、背面のスケッチ画像

切断面のコゲはウエスで拭き取る程度で構いません。また、面取り(角を少し削る)すると手触りが良くなるので、「1前面-外側」「6背面-外側」の角部分を、#120のサンディングペーパーで削って、角を丸めるのも良いでしょう。

円形のウォールシェルフの前面、背面のスケッチ画像
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前面・背面の仕上げ処理を行う

1前面-外側」と「6背面-外側」の板の両面に、ステイン(オリーブ)を塗布して着色します。
また、この作品は濃い色に仕上げたいので、30分程度時間をおいてから2回目の塗布も行ってください。

円形のウォールシェルフの前面・背面にステインを塗布した写真
ステインがしっかり乾いたら、サンディングシーラーを塗布します。
1時間以上経過してしっかり表面が乾いたら、#1200程度の細かい紙やすりで軽く研磨してください。
表面のザラザラが取れて、とても手触りが良くなると思います。


研磨した際に出た木粉を綺麗に拭き取ったら、水性ウレタンニスを塗布しましょう。
これで木材の表面がしっかり保護され耐久性も増し、美しい艶が出ます。

円形のウォールシェルフの前面・背面に水性ウレタンニスを塗布した写真


最後に「2前面-内側」と「5背面-内側」を、木工用ボンドで貼り付けます。
板は1/4にカットされているので、前面や背面に引かれた「ガイド線」に位置を合わせるように接合します。

円形のウォールシェルフの前面・背面に水性ウレタンニスを塗布した写真 円形のウォールシェルフの前面・背面に水性ウレタンニスを塗布した写真
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側面を作成する

次は、ウォールシェルフの側面部分(3側面-内側4側面-外側)を作成します。
この部分は「ケルフカット」と呼ばれる技法を用いて、板を輪の形に丸めて仕上げます

ケルフカット」とは、木材の内側に等間隔の切り込みを入れ、板を曲げられるようにする加工方法のことす。



3DCADデータにあるスケッチ「LC書出し用」には、ケルフカット用の等間隔の線があらかじめ入っていますので、お使いのレーザーカッターで、板が切断されない程度の出力に調整してカットすれば、板を曲げることができます

円形のウォールシェルフの展開図

なお、今回ケルフカットで輪の形にするために必要な板の長さは700mm程度(直径220mm×3.14=690.8mm)ですが、この長さは一般的なレーザーカッターには収まりません。
このため今回は、半分程度の長さで板を2枚切り出し、それをで連結して1枚の長い板にしてみます。

円形のウォールシェルフの側面の板を構成する4枚の木材

上図にある「止め板」は、下図のように2枚の板を連結する際に利用します。

円形のウォールシェルフの側面を構成する2枚の板を連結した状態
円形のウォールシェルフの「4,側面-外側」を円筒形にした状態 円形のウォールシェルフの「4,側面-内側」を円筒形にした状態

それでは、レーザーカッターに板をセットして出力やスピードを調整したら、「3側面-内側」の板を2枚、「4側面-外側」の板を2枚、そして「止め板」を4枚切り出します。

円形のウォールシェルフの側面の形状をFusionのスケッチで描いた状態

次に2枚の板を接合しますが、その前に、#120のサンディングペーパーで接合面のコゲを落とします
このちょっとした手間で、板と板の継ぎ目が分かりにくくなります。
また、表の面(ケルフカットの無い面)に、コゲやヤニが付着している場合は、#400のサンディングペーパーで綺麗に取り除いてください

円形のウォールシェルフの側面の拡大写真1 円形のウォールシェルフの側面の拡大写真2

止め板」に木工用ボンドを塗布し、2枚の板を接合して1枚にします
しっかり固定されるまで3時間以上かかりますので、クランプなどを活用してしっかり圧着させましょう。

円形のウォールシェルフの側面の拡大写真1 円形のウォールシェルフの側面の拡大写真2
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組み立てる

2枚の板の接合が完了したら、板を丸めて前面(又は背面)の板にはめ込みます
この段階の作業は、板が円形になりやすいよう癖をつけることが目的となりますので、木工用ボンドでの接着は不要です。下図を参考に、テープ(マスキングテープなど)で仮止めしながら、側面の板を丸めましょう。

円形のウォールシェルフの前面の板にテープを貼った状態の写真 円形のウォールシェルフの側面を丸めて、テープで仮止めした状態の写真
円形のウォールシェルフの側面を丸めて、板の交差部分を拡大した写真
側面の板は長めに作られているので、板を丸めると、図のように板が交差します
このハミ出た部分は、後でケルフカットのラインを利用して切断しますので、どのラインで切断すればよいか目安をつけておいてください
円形のウォールシェルフの側面の余分な部分をカッターでカットしているシーンの写真
側面の板を取り外したら、ケルフカットのラインを利用して、余分な板をカッターで切り落とします

次はいよいよ木工用ボンドで接着します
前面の接合部にボンドを1周するように塗布したら、「3側面-内側」の板を取り付けます。さらに、「止め板」に木工用ボンドを塗布して、板の接合部にクランプで圧着します。

円形のウォールシェルフの側面-
              内側を取り付けた写真

3時間以上経過してしっかり接合できたら、つづけて「4側面-外側」についても同様の手順で制作します。

円形のウォールシェルフの側面-
              外側をクランプで止めている写真 円形のウォールシェルフの側面-
              内側を取り付けた写真

2枚の側面を接合することができたら、背面についても木工用ボンドで接着します。
これで基本形状は完成しました!

円形のウォールシェルフの側面-
              外側をクランプで止めている写真 円形のウォールシェルフの側面-
              内側を取り付けた写真
Tips

サンディングで隙間を目立たなくする

今回の作品作りでは、板のつなぎ目がどうしても気になってしまうことがありますよね。そんな時はニスを塗布する前に、隙間ができた部分サンディングしてみてください。すると、木粉(木の粉)がつなぎ目の隙間に入って、つなぎ目が目だたくなります。木粉と木工用ボンドを混ぜて、自作のパテを作って隙間を埋めるのも効果的ですよ!

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全体にニスを塗って完成!

すべの板を組み合わせることができたら、仕上げとして全体にニスを塗布します
1回の塗布で不十分と感じたら、乾燥してから2回の塗布を行ってください。

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ニスがしっかり乾いたら完成です!お疲れさまでした。
ご自宅の好きな場所に押しピンで設置したら、お気に入りの観葉植物や小物を飾ってみましょう。自分で手間をかけて仕上げた作品は、既製品にはない風合いと愛着を感じさせてくれるはずです。

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スキルアップ